忍者ブログ

« 幸せについて考える | 永久凍土 »

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

« 幸せについて考える | 永久凍土 »

かけだし

私はまだ駆け出しですが,"知覚心理"という分野の研究を行なっています.
"工学"や"心理学","インターフェース"と比べると馴染みの薄い分野かもしれませんが,
心理物理実験を通して人間の知覚特性を明らかにしていく,伝統的には心理学の分野です.

高校の同期が,大学に入って初めて"心理物理"という言葉を聞いたのでしょう
「最近の物理学では人の心も記述できるんよ!」と
息巻いていたのを思い出します.ちょっと違います.
でもまぁモデル化することもある,という意味では嘘ではないかもしれません.

むかし,解剖実習の時に一緒になった,蜂の脳を扱っている人に
「心理実験なんてただのリトマス紙やろ?」と言われ
上手く反論できず,悔しい思いをした事がありました.

個人的には,代数より幾何が好きな学生だったので
形あるものしか信じたくないという気持ちは理解できます.
私自身,生理学,特に解剖学には大きな信頼を置いていますし
確かに,"被験者さんに質問して,その回答を解析する"とだけ聞くと
何となく問診のような,ふんわりとしたイメージになってしまうのもわかります.

ただ,知覚心理には知覚心理なりの良い所があります.
点や線でなく,画として人間の知覚の全体を見渡せる所です.
人間が,どうやって世界を見ているのか
世界を聴いているのか,触っているのか.
入力を巧みに操りながら出力との対応関係を収集し
システム応答を調べることで,
眼球を磨り潰して吸光特性を測る以上の精度で,
視知覚の世界を明らかにしてきたという自信があります.

私はまだまだ駆け出しですが
そういうものを学んでいるわけです.
PR

研究 : Comment (0) : Trackback ()

Comment


Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

Trackback

Trackback URL: