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ふと論文執筆について

以前見た映画の原作本の評価が高かったので,家人にお勧めしたところ
パラパラと項をめくり,一言
「うん,わかった.だいたい映画と同じ筋だね.」
頷いてパタンと本を閉じました.

驚きました.
筋書きが同じならば読まなくとも良いという理論です.
メディアが違うのに,です.
この人は,オランダのゴッホ美術館に足を運んでも
「うんうん,美術の資料集で見たこと有る絵だね.」
と,5分で出てきてしまうのではないでしょうか.
あるいは
「ふむ,絵画の方が黄の彩度が高いね」
などと解析するのでしょうか.

論文を書くということは,どういう事でしょうか.
今,わたしはそれを
数学の証明において数式を連ねる作業とは,少し異なると思っています.
(証明に関して門外漢なので,誤った解釈かもしれませんが.)
つまり,
「論文の筋は論理的に運ばれなければならない.」
とは言えますが
「論理的でありさえすれば論文である」
とは言えないと思うのです.少なくとも,良いものに関しては,です.

学生の実験レポートの意義は何でしょうか.
努力したこと
間違えたこと
苦労したこと
何とかある結果にたどり着いた変遷そのものだと思います.

では実験メモの意義は何でしょうか.
次の実験のための記録
パラメタや結果が最重要です.

昔,私は
論文と,レポートやメモを同一視していました.
最重要なのは,自分の構築したシステムのData Sheetあるいは実験のResult
装置の写真や結果のグラフ,検定の*印などが
何よりもモノを言うと思っていました.
しかし今はそれを,誤っているのではないかと考えています.

せっかくモノを作ったり実験をしたりしたのですから
結果のその先に何が見えるのか
Discussionが大事,なのでしょうか?
確かに考察は大事,そう思います
ですがそれはDiscussionとして書くものではないとも思っています.

テクニカルライティングで耳タコですが
文章を書く上で一番大事なのはIntroductionです.
別にこれは,英語だと「結論+根拠」の構造になるとか
そういう問題でもないと思います
川端康成も同じ事をやっていますから.

自身の思惑を超えた,世界の知の流れとして
動機が,疑問が自ずと浮かんでくる
それに対して,どう答えていくか.
何だかサーフィンに思えてきました.

大きな波を捉え,巧みにボードを操り,技を決める.
ポイントを上手く選ぶこと
なんども波をつかまえること
波のサイズにあった技を選ぶこと
転ばないこと
人にぶつからないこと
なども大事なんじゃないでしょうか.
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