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研究のつながり

先日,学生時代最後となろう学会へ参加してきました。

今年は予算があまり無かったので,海外渡航の権利は2つでした。
1つは後輩のお手伝いで使ってしまったので
もう1つの権利の使いどころを だいじにだいじに選んで
今まで行ったことの無い,大きなのにチャレンジしてみました。
大きなの,って言っても,セレクションは楽々なヤツなんですが。

今回行った神経科学に関する学会は本当に大きくて
例えば,ポスター会場は無限の広さ
端の列からA,B,C,...,X,Y,Z,AA,BB,CC,...,ZZ,AAA,BBB,...,ZZZ
とまぁ78列。あ,有限ですね。

それが土日月火水の5日間午前午後で貼り替えられるので
とにかく全部見るのは不可能です。
化学から疾病までカエルから人間まで何でも。
私のポスター水曜午前のPP8だから見に来て!とか
そういう世界でした。
数年前の時点で,
脳科学に関する論文は8分に1本出版されているから全部に目を通すのは不可能!
と先生が言っていたのを思い出しました。

でも今回の目的は俯瞰なので
そういう意味では非常に良かったです。
そもそも私は,比較的小さな学界に所属していたので
大きなところでの自分の位置づけがあまり良く見えておらず
世の中的な,自分の位置づけを知りたい
博士論文の中間審査を終えて,強くそう思っている時期でもありました。

人間の研究をしている人は少ないこと
その結果感覚の研究をしている人は(運動に比べて)少ないという事
しかもここ数年でこのただでさえ狭い世界が更に縮小していること。

多くの電気生理学者に会えたのも貴重な機会でした。
私にとっては本の上の知識である事象について,彼らから現場の声を聞いたことで
表層的な理解の危険性を少しは思い知りました。
物理端の人間の行う一般化という概念が,いかに抵抗を持って受け入れられている事か
しかしその一方で,
やはり現象を追いかけるだけでは本質的な理解に至らないという事
色々考えさせられました。

あと,素晴らしかったのは関連研究の著者にがばがば会えること
名札を見てひっくり返りそうになることが何度もありました。
あなたのあの論文!ああ,そうでしたか!そうでしたか!!
みたいなことが度々ありました。
多分,これは学会に参加していれば普通によくあることなのだと思うのですが
自分の場合,なかなか普段学会に行っても
触覚だけどディスプレイ,高次認識,はたまた視覚や聴覚オリジンなどの人が多く
(加えて自分があまりにも無名なため)
こちらは相手に興味はあるけれども,相手はこちらに興味が無いよ状態に陥り易くて
なかなか難しいものを感じていました。
めちゃくちゃ会場が広くていろんな発表がある分
私に近寄ってくるのは非常にマイナーな人たち
つまり知覚心理万歳系の人か触覚Sensory physiologyな人たちだけだったのですが
確率と人数の関係からそれなりの人数が確保できて
嬉しくて仕方なかったです。

むかし稲見先生が言っていたもの。
やる気が出なくなったら学界に行くしかないって
その通りだと思いました。
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