今週,初めてボスが大学に来ました。
私は現在院生なんですが,諸般の事情で指導委託をしており
外部の方の意見を仰ぎながら,ちびちびと研究を進めています。
ボスが居るのは神奈川の山の方なので
私の普段居る大学までは,2時間強。
普通,来ませんよね・・・
その日はたまたま,霞が関で面接(する方)のお仕事があったとかで
急遽電話が来ました。
「今から行こうと思うんですが,実験できますか?」
実は電話がかかってきた時,私は神奈川の都市にいました。
(更にややこしいことに,所属の関係で
私は週一で別の大学に居る事になっています。)
地理的には
神奈川の研究所<<<<神奈川の大学<<霞が関<東京の大学
慌てて東京の大学の方に戻りました。約一時間。
当然先に着いていたボスは,安田の前のベンチに座っていました。
この人が大学に居るのは,本当に不思議な感じがします。
この日,ボスが大学に来たのは
ほとんど査察と言ってもいい事情でした。
去年1年間,一緒にやっていた実験について,
どうしても結果に対する疑念を払えないと。
実はこの実験,
5年前に別の先輩とボスが関わっていたものなんですが
その当時から,その結果を怪しんでいたらしいのです。
私のボスは視覚研究者ですので
その見地から,私の触覚研究に着いてアドバイスをくださいます。
知覚心理の分野では,やっぱり視聴覚がすごく強いので
これは非常に助かっています。
その背景の元,ボスの疑念と言うのは
有り体に言えば,目と手は常に同じわけは無いのですけれど
手で出た結果が,あまりにも目でよく知られる結果に反しているので
どうしても不思議な気がすると。
変な話,
視覚の分野でも世の逆の(今回の私と同じ)主張をしている人もいるのですが
そういう人たちは,それこそ信用を失いつつあるらしく
当然,手堅い研究をしてきたボスはその人たちと仲が悪いので
そういった事情もあったのだと思います。
それにしても,論文のLast Author(いわゆる,一番偉いひと)に
実験をやってもらった事はおろか
実際の装置を見てもらったり,触ってもらったりしたことも初めてだったので
何故か急に怒られたりしないかと妙にヒヤヒヤしてしまいましたが
実際のところ
ボスも他の被験者と同じ傾向を示し
体験をしてみる事が大事だね,と案外あっさり認めてもらえました。
それはさておき
ボスに実験用の振動をかけた時に,彼がアッと驚くようなことをさらっと口にしたので
今完全にその思想に取りつかれています。
詳しくは開示できないのですが,それは,
振動感を“見え”と捉えた彼なりの経験に基づく発言で,
私はまさに共感覚者を目の前にしたような眩暈を覚えました。
改めて,この,研究者と言う人たちには,世界はどんなふうに見えているのだろうか?
それはきっと,私の思っているものとは,全然違うのではないだろうか?
これまで5年間,ずっと目にしてきたある有名なグラフの解釈を今
再度捉え直そうとしています。
近いうちにきちんと,誰かに話を出来る位に思考がまとまってくるとよいのですが。
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あまり言葉がうまくまとまらず、とりあえず自分のことを信じて頑張ってください。